あいかわらず事情あって本を読み漁れる環境なので旅と音楽の書を読みました。「HOSONO百景」です。
HOSONO百景
旅するときに、テーマを決めたり決めなかったり、世界遺産を回るのもよし、人々とコミュニケーションとるのもよし、映画の舞台を訪れるのもよし、この本では映画の話も多いんだけど、やはり音楽の話を絡めた旅の話が多いです。
というのも今回のこの本は旅をテーマにした雑誌「TRANSIT」や「PAPERSKY」に掲載されたものや掲載できなかったものを編集した一冊なのです。
そして題名からわかるとおり細野晴臣メインの旅と音楽の話なわけです。若い人は「それ誰?」って感じかもしれませんが、「はっぴぃえんど」や「YMO」の細野さんです。ま、知らない人は調べてもらって、さらっと流しますね。
その細野さんがツアーやレコーディングもあるけど、旅先のエピソードと旅先で出会う音楽の話が盛り上がる。
ま、旅に自分の好きな音楽を持っていく人も多いですよね。今ではスマホに入れていけますし。ボクはどっちかというと現地の音楽を求めてしまうタイプです。その方が旅情がブーストされるんですよね。
この本では1950年代くらいから現在までの国内外の楽曲について触れられて、しかもジャンルはワールドミュージックおたく細野さんだけに幅広い。実際のアルバム名も記録されているのでボクはYoutubeで全て聞いてみたが、時代の縦軸と世界の横軸が広すぎてまだ整理できていない。音楽好きは楽しめると思う。
そしてこの本で引っかかったのは、「旅に出る」ということと真逆のこと。(以下引用)
現地を訪れずに想像を膨らますというエキゾティックな作業のほうが楽しいんだ。[中略]どこかに本当に行かなくてもそうやってイメージすることは、音楽のクリエイションにつながるんだよ。
そして
「本当は、インドへまだ行きたくなかった。本家本元に行っちゃうと、エキゾティシズムが終わる気がして。でも一方でクリエイティブな部分で燃焼した感があった。エキゾティシズムは心地いいけど、ずっといられる場所じゃないんだ。」
イマジネーションとクリエイティブについて再度考え直さなきゃって。
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